2009-01-01から1年間の記事一覧

ポロックの画集を見て

最近書店にTaschenの日本語版の画集が出回っている。図版の印刷が鮮明であるだけでなく、画家や動向に関する記述内容も優秀で、一昔の国内で買える画集と比べたら雲泥の差がある。しかも安価だ。先日その中のジャクソン・ポロックの画集を見た。コンパクトな…

レビュー・宇波拓ライヴ@試聴室/黄金町

試聴室<その2>1st Anniversary 黄金町 Music & Arts Fes. Vol.1 第6夜 宇波拓 2009年9月11日(金) 書けば野暮かと思うが、敢えて書いてみよう。 この日は宇波のソロである。 第一部は最近の杉本拓との「天狗と狐」あたりから始まった影による演奏。演奏…

”Im Sefinental ” Stefan Thut . Manfred Werder

ヴァンデルヴァイザー・レコーズからでた2人の作品集。 スイスの谷間での野外録音である。手法からしたらフィールド・レコーディング作品ということになろうが、まぎれもない彼ら流の作曲作品である。ステファンのタイトルは「aussen raum」。2008年作。 楽…

把握しがたい何か

近所の住宅が解体された。住宅がすべて消え去った更地を見ると何とも虚しい感覚にもなるが、こんな狭いところにあの家があったのか、と感じる。よく知っている家の場合尚更である。これは素朴に思うと少し変である。住宅がなくなったのだから、逆に広いと感…

作品と展示

毎日、家の裏にある小川から一滴ずつ水をビンにためていく作家がいるという。親しくしている音楽家が欧州で実際にその方に逢ってきた。アトリエには10本くらい何の変哲もないビンが並ぶ。1年でちょうど一本たまるという。つまり10年分だ!この作品は罠だろう…

息を合わせる

肺や心臓を傷めるのは辛い。それは生命の危機に直結する。最近そういうことと少し関わりがあったので気づいたことがある。 私は時々何か人がしゃべってるだけの録音が聞きたくなる。 気に入ってるものは独のEdition BlockがディストリビュートしているArthur…

昔話

もう17年以上前の話である。大学時代の友人がやっていたメール・アートのようなものに誘われた。心理的な環境リサーチのようなものでNASA JAPANという名前の企画だった。思うところのある友人たちの間で行う閉じた制作。当時はカセットデンスケにマ…

色彩 光 構成

「最初のエスキース、地質学的な線を描いて私は自由になる。大地の尺度となる幾何学。優しい感動が私を捉える。この感動の根のほうから、活力、色彩が昇ってくる。一種の開放だ。魂や眼差しの輝き、表に現れた神秘、大地と太陽のあいだの、理想と現実のあい…

バロック音楽

破格の独ハルモニア・ムンディ50周年箱を買ってからバロック音楽にハマってしまった。私はクラシックの門外漢で、好きなジャンルは古楽と現代音楽というキセルのような接し方だった。レコード店ではその2つのジャンルが隣り合っている場合が多いので同じよ…