他人摺り《赤陽》部分

版木一部を試した跡の残っている。画像左端真ん中より少し下、手前の建物の周り、道路部分に走る細い直線など。 乱雑な摺りである。 「小野」印拡大。 何故これを捺したのか。自分で摺ったものだからではないだろうか。他人の作品に自分の印を捺すだろうか?…

眞偽比較

眞《赤陽》 偽 彼方に夕日がありながら道路が不自然に光っている。《赤陽》は当初昼の景色として制作されていたようだ。しかし沈む夕日の光を見て急遽構変更したものと推定される。そのため画面下部の一部はコラージュになっている。 しかしこの他人摺りでは…

駒村吉重著「君は隅田川に消えたのか」

藤牧義夫の版画の代表作といえばやはり《赤陽》《月》だろう。鋭い三角刀の切れ味に圧倒される魅力がある。しかし穏やかな鉄橋などの風景版画をじっくり味わって欲しい。澄み渡った空、吸い込まれるような空気感。何も墨がついていない、余白のような部分が…

藤牧義夫 羽裏《龍》3月10日まで

2月6日から3月10日まで、かんらん舎にて藤牧義夫が龍を描いた羽織が展示されています。 義兄太田豊治の為に描いたものです。推定17歳の筆。(部分)他に数点の版画、そして貴重な版木も展示されています。 小冊子「藤牧義夫 眞偽-過去は死なない 過ぎ去りもし…

藤牧義夫は本当に「失踪」したのか?

一般に「失踪」という場合、自らの意志によって姿を消すことを意味する。 昭和10年9月2日の雨の夜、藤牧は忽然と姿を消した。 ここに同年9月15日に発行された「鯱(しゃち)」という冊子がある。 表紙には藤牧義夫の作品が使われている。紙面には他にも2枚藤…

【水沢勉 大谷芳久 小野忠重 藤牧義夫】

先日、かんらん舎で「『藤牧義夫 眞偽』-過去は死なない 過ぎ去りもしない」という小冊子を購入した。 そこには神奈川県立美術館館長水沢勉氏の信じられない言葉があった。 大谷氏の著作『藤牧義夫 眞偽』を「悪書」「悪魔の書」、学術書の体裁の「フェイク…

藤牧義夫 失踪の謎

小野忠重著『現代版画の技法』ダヴィッド社 昭和33年初版発行より抜粋『藤牧義夫(1909-25?)と知りあったのは新版画集団創立の年だった。銀座の図案社にかよう二十四歳の彼とほとんど同年輩のなかまが集まって、深夜まで画集(自費出版)のための作品のための作…

重ね合わせ

空間という言葉を意味合いから逸脱して解釈してみよう。3人の人に一斉に声を出してもらう。 「あ」「い」「う」 同時に重なった音響。それぞれの個々の音を聴き取ることはできない。 「あ」「い」「う」をフォントを重ねたら、潰れたような読めない文字にな…

私の制作について

フィールド録音のフィールドとは何か? マイクが拾う空間の情報、或る場所で聴こえる音の範囲、それならばその最下層にあるような振動を録音してみよう。 コンタクト・マイクや小型マイクを使って、通常意識的に聴こえてこないようなものに焦点を合わせた。…

作品のうしろ

作品(絵)のうしろというものを考えてみる。 作者がどうしてそれを描かせたのか、ということの比喩。当人の意思は作品のフィニッシュから誰しも見えるわけではない。そんなもの見える訳ない、表面しかないでしょ、絵なんて色と形だろう?という発想は180度回…

録音

自分は物事を相対的に見たい(理解したい)とは思っていなくて、何というか、運命の出会いじゃないが、他とは変えられないものとして、それに向き合いたいと思っている。 録音も意識的に行ってもうすぐ四半世紀になる。 ロケ地は以前からずっと変わらない。何…

ヒカリエ

http://pr.nikkei.com/ART/archives/2014autumn-3/ これに出ます。しかしほぼ無名の私を引っ張り出して凄いタイトル・・・・ 去る夏は訳あって海外遠征をキャンセルし芸大の音環科でレクチャーとCON/cretismのイベントでトークをしましたが、今回は続けて3本…

コンクレーティズム

http://www.editionnord.com/event/concretism/あの「ロックマガジン」の阿木譲氏のこの企画、23日の埼玉県立近代美術館主任学芸員の梅津元さんの企画に、オプトロンの伊東さんと参加します。 この日は阿木さんは会場にいません。 私のライヴは以前、塾ボッ…

バックグランド

今朝の「日曜美術館」は志村ふくみという染織家が特集されていた。染料になる植物を集め、糸を染め自ら織っていく作業過程での発言は示唆に富み、興味深いものがあった。工房で共に働く若い女性作家の、植物の命が失われたのではなく、色彩になって織物の移…

佐々木敦著 「4分33秒」論 

ジョン・ケージとは関係ないが読んでみようと購入したら、何と私のことが書かれていて驚きました。懐かしいコンピCDが取り上げられており、あぁ、これか、と。そういえばケージとちょっとだけ関係ありましたね。この本はジョン・ケージ論ではなく4'33"を考…

杭州・上海

http://www.rockbundartmuseum.org/en/

杉本 拓

Leader As Gutter

http://www.takaishiigallery.com/jp/archives/8877/ Lukeとの共作は三作目になります。08年のトリエンナーレでの一作目は音響・振動との複合的な作品でしたが、それ以降は映像に重点が置かれています。二作目はドイツとスコットランドで展示しましたが、そ…

墨耳鉢恩

http://www.liquidarchitecture.org.au/tram-vibrations-live-in-combino/http://www.liquidarchitecture.org.au/more-talk-less-action-a-series-of-discussions-on-sound-art-experimental-music/

紐育

http://www.moma.org/visit/calendar/exhibitions/1379http://issueprojectroom.org/drupal/event/toshiya-tsunoda

manfred werder / toshiya tsunoda

manfred werder / toshiya tsunoda 2013年4月28日(日)開場18:00 19:00-21:00 於 l-e (大崎/戸越銀座) マンフレッドと角田による公開録音です. 鑑賞に際し多少不自由があるかもしれませんがご容赦願います. 東京都品川区豊町1-3-11スノーベル豊町 B1 大崎…

言葉を聴く楽しみ

まずはここに上げた音源を聴いてほしい。 https://soundcloud.com/toshi/was-ist-das これはArthur Køpckeという作家が読んだ自作の詩「Was Ist Das」。1950年代の後半に録音されたものをCDで復刻したものの抜粋である。 オランダ語のようだが、私たちには言…

新作に関して話す会

3月2日(土) 19:00開場 19:30開始 新作に関して、または聴くだけで終わらない作品の魅力について 出演:Toshiya Tsunoda 於Ftarri Shop水道橋 http://www.ftarri.com/suidobashi/index.htmlお土産音源は未発表テイクとか、実験ものの何かとかの有りがちなも…

新作CDについて

先日2枚組CDを2種出版した。 例によってややこしめなコンセプト文はバイリンガルで載せてあるが、もうちょとぶっちゃけた話を書いておこうと思う。 今回の2作は自分にとって少し制作が進んだ感のある作品と認識しているので、その理由をなるべく理解してほ…

明日のおまけです!

ギリシャの女性歌手、フレーリ・ダントーナキのハジダキスの歌曲集。 このレコードは私の、比較的入手困難で失いたくないレコードの5番目以内に入るものです。 とてもいい!現地じゃCD化されてるかもしれませんけどね。名盤です。プログレではありません…

関心の壺 第2回 「録音について」

12月16日(日) open16:30 start 19:00 関心の壺 第2回 「録音について」 出演: 柳川真法(Amephone) 宇波拓 角田俊也 於 l-e 大崎 録音についての話というと大体は技術の話になる。 AKGだB&Wがどうした ProToolsでどうのこうの、こういう話も面白いのだろうけ…

ストローブ=ユイレとタルコフスキー

象徴やメタファーによって表現する手法は、その背景を知らないと通用しない。 たとえば聖書の一節を映画に挿入された場合など、日本人には分かりにくいところである。 私は以前、タルコフスキーに心酔していた。 しかしストローブ=ユイレを知ってからはその…

真夏のシルエット

最近、時間的体験について考えている。例えば、丘の上にある樹木のシルエットがあなたの目に入ったとしよう。それに釘付けになるようなことはないだろうか。それは印象的な瞬間で、まるで絵画のようだ。あなたはその魅力を確かめようと、徐々に樹木に近づい…

高橋光一郎コレクション

去年のことだったと思う。横浜のレコファンでスチールギターのLPが安く出ていた。 どれも300円くらいで、ローカルプレスが多かった。 大阪のK氏がArea Code 615を紹介してくれてから、Barefoot Jerryあたりにハマった自分としてはスチールギターには興味…

企画告知2本

8月17日(金) 「関心の壺vol,1」 出演 宇波拓 志水児王 角田俊也 作家が自身が関心を持っている物・事を紹介しながら話し合うイベント。 初回の出演者は宇波、志水、と企画者である角田の3人。お客さんも交えて座談会的に行きます。 志水、角田は美術方面か…