色彩 光 構成

 「最初のエスキース、地質学的な線を描いて私は自由になる。大地の尺度となる幾何学。優しい感動が私を捉える。この感動の根のほうから、活力、色彩が昇ってくる。一種の開放だ。魂や眼差しの輝き、表に現れた神秘、大地と太陽のあいだの、理想と現実のあいだのやりとり、色彩!彩られた大気の理論が一挙に頑健な幾何学に取って代わる。(セザンヌ 〜ジョアシャン・ガセケとの対話〜)」

大気の理論とやらが何を言っているのか別にして、絵の中でリアルタイムに色が空間を作っていくときの嬉しさが伝わってくる。スケッチは至福の体験。

しかし例えば、以下のような文章が欧州近代画家の根底に流れているのかも。遡ればもっともっと古代、ギリシア哲学にまで行けてしまう。

 「神の照明はすべて善であるがゆえに、摂理されるべきものへの多様な仕方で発出するが、それは純一に止留しているだけでなく、照明されるものを統一もするということ。(ディオニュシオス・アレオパギデス『天上位階論』5世紀)」

この文章から私はキュビズムまでつながりを感じてしまうのだが・・・要するに遠近法。